<居合道を始めるきっかけ>
祖父や祖母が亡くなり、自らのルーツに興味を持たれた経験がある方もおられるかと思います。私もそんな一人でしたが、家の伝承、古文書や子供の時見せてもらえなかった刀などを調べるうちに、点と点が線のように繋がり、先祖が見ていた世を、教科書を見るよりリアルに想像する日が続きました。そんな中、先祖がずっと身に着けてきた刀を、まったく扱えない自分が、少し物足りなく感じることに気づきました。現代では美術品としての扱いである刀剣ですが、刀のことを調べるうちに、鑑賞目的ではなく、真剣の扱い方を伝承している武道が存在することを知りました。それが居合道でした。
<武信会を選んだ理由>
居合道を調べてみると、様々な流派が存在し、歴史があることがわかりました。すべてを体験することはできないので、まずは近隣で探すことにしました。道場や個人でやっているところがありましたが、私は比較的「ガチ」でやっているところがいいと考え、武信会の見学・体験に参加しました。当日朝、師範が私の方へ真っすぐに歩いてこられ、「村田です。」と一言、私は完全に間合いに入られ、これは既に切られているな。と思いました。現代の初対面ではなかなか感じられない距離感に、ここはカルチャースクールではないことがわかりました。体験の中で、他流を批判せず、英信流との違いだけを述べられる先生方を見て、自分に合っているとも感じました。体験の帰りには正式な入会をお願いしました。
<居合を始めて数ヶ月>
型が覚えられません。2つ覚えて1.5忘れます。歳だと思います。先生方は基本動作から型までマンツーマンで教えてくださいます。申し訳ない気持ちと感謝の気持ちで頑張っておりますが、先生方には根気強く教えていただけます。と思っているのが甘えです。でもホントに「手厚く」教えていただけます。何より、皆さん居合を真剣な中に楽しんでおられるのがよくわかります。若い人も性別問わず多いと思います。最近はいろいろな「刀」ブームがあって、個人的には嬉しいです。私も鬼退治の方は全巻持っていますし、何より刀剣文化を背負う職人が増えます。先日「鐔」を作成しようと職人に頼んだところ、受注過剰で待ってくれと言われ、刀の鐔師がアップアップな時代って、どんな時代だと思いましたが、良い時代なのだと思い返しました。
<見学・体験に興味を持たれた方へ>
体験の日に本物の真剣を振らせていただいて、いつか真剣を持てるよう、頑張ろうと目標が明確になったのを覚えています。日々の練習は高段者を除いて切れない居合刀で行いますが、先は尖っているので納刀で失敗すると痛い程度には刺さります。真剣までの道のりは長そうです。
真剣も居合刀も1kグラムほどあります。初めの1ヶ月は右腕だのモモだの筋肉痛になりますが、そのうち慣れます。先生方の腕を見れば、鍛えられることがわかります。私も稽古の日の夜は何らかの肉、翌日月曜のランチはチキンを食べる習慣ができました。
あまり参考にならなかったと思いますが、私のようなコアな人から、精神鍛錬のため、何か新しいことを始めたい、継国縁壱になりたい人まで幅広く受け入れてくれる懐の深い真面目な居合道場が武信会だと思います。ただ、試斬は行わず、型は先制攻撃的ものではなく、攻撃してきたから打ち返す、防衛的なものが殆どですので、刀は身を守るものと捉えている方が向いていると思います。様々な年齢層の方と一緒に稽古に励むのは、とてもいい刺激になります。どの年齢の方も、稽古着の袴を身に着けているときは、一言でカッコいいです。凛としています。私もそうなれるよう、精進していきます。
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