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居合道の流派、流祖と時代

更新日:2022年5月26日

居合兵法無双直伝英信流、初段を允可(いんか)されました2年目剣士です。武信会ホームページをご覧の方の中には、「居合を始めてみたい」、「流派とか、よくわからない」という方がたくさんいらっしゃると思います。(私もその一人でした)

この1年超、居合稽古をしてきた居合初心者として、居合の世界でわかってきたこと、特に今回は「居合道の流派、流祖と時代」について、所感を交えて書いていきます。


1.居合道の流派、流祖と時代(十一)

林崎夢想流   林崎甚助源重信    室町時代

伯耆流     片山伯耆守久安    江戸時代

田宮流     田宮平兵衛業正    江戸時代

無楽流     長野無楽入道槿露齋  江戸時代

関口流     関口八郎右衛門氏心  江戸時代

水鷗流     三間与一郎左衛門景延 江戸時代

新田宮流    田口平助正勝     江戸時代

無雙直傳英信流 長谷川主税助英信   江戸時代 ⇒ 武信会稽古

無外流     辻月丹無外      江戸時代

北辰神櫻流   篠田櫻峰正庸     明治時代

夢想神伝流   中山博道       昭和


居合の始祖、林崎氏から実に11の流派がその名を残しているようです。

武信会は英信流(無雙直傳英信流)を基本にして稽古をしています。


2.現代日本の居合道組織と「どこを選ぶか」

居合道を始める際に、「現代日本の居合道はどうなっているんだろう?」という素直な疑問はとても大切だと思います。

居合道たかだか1年超の私の所感ですが、私なりに分かってきたこと、どうすれば自分に合う居合道を稽古する機会が得られるだろうかを考えてみます。


(結論)見学体験、その師範に会って、話してみること。+勇気


これが最善と思います。現代日本の居合道は、ざっくりと以下のような構造に見えます。


★流派(歴史がある)>居合道組織、団体(段位認定、大会がある)>所属道場、師範、人間性(自分が居合を研究する現場、人)


(ポイント)

a) 流派の違いなんか所詮わからない(最初は)。選べない

b) 流派、組織団体によるが、近所に支部道場があれば続けられる

c) 支部、道場によって師範が異なり、稽古も当然違いがある(はず)

d) ならば、「居合稽古が続けられる条件」を自分で考えて、選ぶべき

e) 真剣可否、試し切り有無、業の理合研究の深さについて、自分の好みを考えておく

f) 真面目に取組んでいる流派、組織であれば、他流を否定しない(できないはず)


(私の見解)

a) 現実的には自宅の近所か、それほど遠くない近隣都市での道場を探す

b) 武道にありがちな、「高圧的、威圧的、喧嘩で使える、強さを自慢したい」が好きではないので、それを確かめるには「見学、体験、師範に会って話してみる」しかないと考えて実行

c) 流派組織、団体の居合人口はそれぞれ。万を超える人口組織もあれば、数千人規模、あるいは町の小さな個人道場(隠れた達人?)も。そこに行って、見て聞いて、話して、選べば良い

d) 流派が異なるのは、当時の武士達が己の経験値(実際の戦い)から得た居合の理合を整理しているもので、他と違って当然。戦ってきた相手や状況が違うのだから。

「あの時、こう抜いて、斬った。だから俺はこうする。」全て正しいはず。

e) 真剣所持については、組織団体、師範によると思いますが、鍛錬を積めば持てるようになる

f) 試し切りは、組織団体、師範による(武信会は行いません)

真剣の刃こぼれとメンテナンス、経済的事情、安全性、師範の理念などによって、可否は分かれる。好き嫌いで選べば良い


3.まとめ

居合の流派が多いことに驚くでしょう。私もびっくりしました。11もあります。

居合を続けていると、業の一つ一つの理合、意味を理解しようとします。そして全身の使い方を居合刀で稽古します。

このことに、どれだけ取組めるか、研究できるか、鍛錬できるか。そこに師範がいてくれて、高弟先輩剣士がいてくれて、助言をもらい、錬度の確認(昇段、大会参加)をしていけるか。

居合に対する自分のスタンスを「ある程度は」しっかりさせておいて、師範(人)を探されると良いと思います。自分に合った師範が見つかると良いですね。


武信会では見学体験をお奨めします。(私もそうでした)

見学体験のお申込み> https://www.iaido-bushinkai.org/enter



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